シェールの草分け的存在であるチェサピーク・エナジー(ティッカーシンボル:CHK)が、今日、乱高下しました。

まず今朝ロイターが「チェサピークは債務をリストラクチャリングするために、アドバイザー、カークランド&エリスを起用した」と報道しました。

チェサピークのバランスシートには、約110億ドルの負債が載っています。

このニュースを見て、トレーダー達は「シェールの大型倒産、キターッ!」と一斉に同社株を投げました。前日比-50%を超えたところでチェサピーク株は商い停止になり、会社側の声明の発表を待つ展開に。

チェサピークは「たしかにアドバイザーを雇ったけれど、いまのところ破産申請する意図はない」と発表、今度は逆に慌てた買い物がチェサピーク株に入りました。

その後、トレーダー達は(でも……これって本当は、やばいよね?)と思い直し、再び同社株を売り叩きました。

そんな、こんなで、結局チェサピーク株は7回の商い停止をはさんだ乱高下となりました。

トレーダーの間からは「ケイト・アプトンの無重力パイオツ撮影みたいにバイオレントな相場だ」という声が上がりました。

チェサピークは独立系のシェール・ガス企業としては最大級の存在であり、かつてオーブリー・マクレンダンという立志伝中の経営者によって切り盛りされていました。オーブリーは、まだシェールが全然、ブームじゃない頃から、水平掘りや破砕法など、最先端の技術を率先して採りいれ、ギョーカイに「シェール開発、かくあるべし!」という模範を示した人物です。

ボストン眼鏡をかけた、「とっちゃん坊や」みたいな風貌で、熱心にシェールの夢を語り続けた人で、ウォール街にもファンは多かったです。

そのオーブリーとタグ・チームを組んで、株式の売出しやら社債の発行など、資金調達をやりまくった男が、ラルフ・イーズ三世です。

このバンカーは、多分、石油・天然ガスセクターのバンカーとしては、一番有名というか、悪名が轟いている人です。(僕も昔会社が同じだったせいで一緒に仕事したことがありますが、自分のカカアですら売り飛ばしかねない、手段をえらばないバンカーで、その強引さには閉口しました)

このラルフィーちゃんとオーブリーはデューク大学時代の「ご学友」で同じフラタニティーに属していた、いわゆる「フラット・ボーイズ」です。

しかしあまりにも向こう見ずな経営をしたせいで、オーブリーは自分が手塩にかけて育てたチェサピーク・エナジーの役員会で解任され、叩き出されてしまします。

そしてチェサピークには、山のような負債が残った……というわけです。

ある意味、サウジアラビアが増産に次ぐ増産をして息の根を止めようとしているターゲットは、チェサピークのような会社なのです。

その意味で、もし同社が倒産すれば、それはシェール企業の連鎖倒産を招く恐れがあるし、そこが原油価格のパニック・ボトムとなる可能性もあるわけです。

折から欧州ではドイチェバンク(ティッカーシンボル:DB)の経営内容を不安視する声もあり、(またぞろリーマンショック再来か?)と気の早いトレーダーは銀行・証券株をぶん投げに走りました。(=僕の考えでは、今回はそこまでひどくならないと思います)

市場のセンチメントがリスクオフに傾いたので、安全資産とみなされる円が急騰したわけです。さらに防空壕メンタリティというか、極端な投資家は「もうフィアット・マネーは信頼置けない! これからはゴールドだ!」と金鉱株にも殺到しました。