中国で現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を巡って国際フォーラムが開催されました。その中で中国は関係国に対し14兆円の融資や援助を行う考えがあることを示しました。

このニュースに接したアメリカの投資家からは「トランプ政権とまったく対照的だ」という声が上がっています。

トランプは大型インフラ・プロジェクトを公約しましたが、実現の見通しは全く立っていません。またトランプは「アメリカ第一主義」で外国を締め出し、アメリカだけを利する経済政策を声高に主張してきましたが、中国の「一帯一路」は関係国すべてに互恵的です。

国際社会の中における影響力という観点からは、明らかに中国の存在感が高まると思われます。「一帯一路」は世界のGDPの30%、国土の38.5%、人口の62.3%、家計消費の24%をカバーすると言われています。

この計画で恩恵をこうむるのは言うまでも無く中国国内の建設、素材関連企業です。道路、港湾施設などが投資の中心となると思われるので、セメント、建設機械、港湾施設関連銘柄が人気化するでしょう。

その一方で中国政府はこのプロジェクトが中国だけを利するものであるという印象を世界に与えないよう、外国企業にも利益機会を提供することに心を砕くと思われます。

一例として「一帯一路」に関係する国々の多くで営業しているスタンダード&チャータード銀行などは恩恵をこうむると思われます。

また国別ではトルコ、ミャンマー、パキスタン、ロシア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、セルビアなどが恩恵をこうむることが予想されます。なおインドは中国にライバル心を持っているので「一帯一路」には参加していません。またドイツは半信半疑だと言われています。

融資に際しては中国の肝いりで設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)が中心的な役割を果たすことが予想されますが、AIIB以外の国際機関も関与することが考えられます。

リスクとしては、この手のインフラ・プロジェクトは無駄な投資や不採算、不正の温床になるなどの可能性があることが指摘できます。一例としてスリランカに中国が建設しているハンバントータ港とそれにまつわる施設は無駄の象徴だと言われています。

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