ウォールストリート・ジャーナルによると先週、茂木敏充経済産業相がワシントンDCでスピーチし、「米国から日本への液化天然ガス(LNG)の輸出は、重要なゲーム・チェンジャーだ」と主張しました。なぜならそれが経済面でのメリットだけでなく地政学面での安定をアジア地域にもたらすからだというのがその主張です。

このニュースを逆に読めば、シェールガスの輸出許可は、未だdone dealではないということです。

これは日本にとって重要です。その理由は下のグラフです。

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2004年以降のエネルギーの価格の推移が示されているわけですが、日本向け天然ガス(赤)が高止まりする一方で、米国天然ガス価格は低迷していることがわかります。

これはどうしてかといえば米国ではシェールガス・ブームで天然ガスが供給過多になっているからです。

アメリカの天然ガスがだぶついている一つの理由は、輸出が解禁されていないからです。

一方、日本のLNGの仕入れ価格が下がらないひとつの理由は、輸出国間での競争が少ないからです。

もちろんLNGの輸出契約は長期契約が中心ですから、価格は長期に渡ってロックインされます。でもスポット市場もあるのです。そしてスポット市場で輸出国間の競争状態が存在し、価格下落圧力が存在するということは、将来の値決めにおいて買い手(つまり日本)が有利に交渉を進める上で重要な条件です。

そうでなければいつまでもカタールなどの輸出国に足下を見られる状況が続くわけです。

シェールガスの輸出に関しては、ダウ・ケミカルなどの、米国内での需要家が、安いフィードストック(原材料)価格を維持する目的で「輸出すべきでない」というキャンペーンを張っています。

だから日本としては「シェールガスを輸出して欲しい」というプレッシャーをアメリカにかけ続けないといけないわけです。