アルジェリア人質事件がとても痛ましい結末になりました。今回の事件では世界のいろいろな国から働きに来ているエクスパット(外人社員)が巻き添えになりました。この現場では全部で12カ国の国籍の人々が働いていました。だから世界中から今回の事件を嘆く声が上がっています。

その中にあって、いちばん打撃が大きかったのは、日揮です。日揮はウォールストリート・ジャーナルによると日本人10名、外国人7名の合計17名の安否が確認出来ていません。「なぜ日揮ばかり?」そんな素朴な疑問が湧きあがってきても、不思議ではありません。

日揮は外国では「JGC」の名前で知られています。プラント輸出の世界では堂々たるブランドネームです。日本の施主の仕事だけしか取れないということではなくて、世界のどの案件でもアメリカのベクテルやフルアーといったエンジニアリング企業と戦える、実績ある会社です。

そう言ってもイメージが湧かないと思うので、喩えれば、IT関係で「私、グーグルです」というと相手の自分を見る目が変わるのと同じで、プラント関係の仕事では「JGCです」と言うと、現地の人から尊敬されるわけです。そのような敬意は、一日で勝ち得ることができるものではありません。長年に渡って一流の仕事をしてきたからこそクライアントからも現地のコミュニティからも尊敬される存在になれるわけです。

日揮にとって中東や北アフリカは彼らの主戦場です。だから社員にとってアルジェリアに行くのは、IT関連の社員がシリコンバレー詣でするのと同じ感覚です。日揮はそれらの土地でもう三十年以上もいろいろな案件を手掛けてきました。だから勝手知る土地です。そこで働くことのリスクも、十分に承知しています。いや、そこで働くことは彼らにとって本懐のはず。
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