この週末はドイツのメルケル首相にとって踏んだり蹴ったりでした。

まず東ウクライナで停戦協定が破られロシアから親露反体制派に供給されたと思われるロケット弾がドネツク州マリウポリに撃ち込まれました。

これをうけてアメリカとEUの首脳はロシアに対する新しい経済制裁を策定しなければいけないか模索しはじめています。

経済制裁はロシアを苦しめますが、同時に取引先を失うEUをも苦しめます。

次にギリシャの選挙では急進左派連合が149から151議席を確保する見込みになってきました。ギリシャ議会の総議席数は300議席なので単独過半数を占めるには151議席が必要です。

若し急進左派連合が単独過半数を占めれば、他の政党と手を合わせることなく政権を樹立することが出来ます。

急進左派連合は、かねてから反EUでした。もっとも最近は従来の主張をトーンダウンし「EU離脱は望んでいない」ということを明言しています。

彼らが要求しているのはトロイカ(EU、国際通貨基金、欧州中央銀行の三者のこと)から強いられている緊縮政策を緩めて欲しいということです。

現在、ギリシャはトロイカから2,400億ユーロの救済を受けています。これには財政規律の回復などの条件が付けられているので、ギリシャが一方的に財政緊縮策を放棄すれば、トロイカとの約束が不履行となり、最悪の場合、ギリシャがEUを離脱しなければいけなくなる可能性もあります。

なお2,400億ユーロが戻ってこないことになると、一番困るのはお金を貸したドイツです。

今回のギリシャの選挙の結果は、他のEU加盟国にも影響を与えると思います。まずフランスでは最近、ジャン=マリー・ル・ペン率いる極右の国民戦線(FN)が勢力を伸ばしています。一方、スペインではポデーモス(PODEMOS)が1月16日に結党されたばかりです。つまり「アンチEU」のムードが高まることが予想されるのです。

欧州中央銀行(ECB)は先週、量的緩和政策(QE)を発表したばかりです。国債購入はECBへの資本拠出シェアに比例すると決められました。するとドイツの拠出額がいちばん多いので、同国が最もメリットをこうむることになります。

なおECBへの資本拠出シェアと現在の欧州の国債の発行残高は、一致していません。

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具体的にはイタリアはECBへの資本拠出シェアより国債の発行残高の方が、かなり多いです。

そのことはイタリアがQEから受ける恩恵はドイツなどより少ないということです。

なおギリシャ、ポルトガルは長期ソブリン格付けが投資適格ではないので、そもそもQEの対象に入りませんでした。