(これはこころの叫びだな)

そういう形容の仕方以外に著名ベンチャー・キャピタリスト、ベン・ホロウィッツのこのエントリーを説明しようが無いと思うのです。

今日、彼のこのブログ記事がUpされた途端に、シリコンバレーはこの話題で持ち切りになりました。

今日、ベン・ホロウィッツのベンチャー・ファンド、アンドリーセン・ホロウィッツが15億ドルというベンチャー・ファンドにしては超大型のファンドをローンチしました。

これでアンドリーセン・ホロウィッツは3年前にVCを創設して以来、実に27億ドルもの投資家資金を集めた計算になります。

同社はIPOを直前に控えた華やかなベンチャー企業に「おカネに糸目を付けない」大胆不敵な大型投資をしてライバルVCをカリカリさせています。

「あいつらがムチャクチャなバリュエーションで投資するものだから相場が吊り上がってしまっている」

そういう陰口を叩くVCも多いです。

この批判に答えるかのように今日、ベン・ホロウィッツは「なぜ我々はドデカイ資金を集めるのか?」ということを説明するブログ・エントリーを書きました。

これは起業を目指す人や金融関係者は必読すべき、深く考えさせられるエントリーです。

(以下抄訳)

マーク・アンドリーセンと僕が3年前にアンドリーセン・ホロウィッツというベンチャー・キャピタル・ファンドを設立して以来、我々はこれまでに27億ドルの投資家資金を集めた。それに対して2つの疑問が投げかけられている。

1.なぜ新米のVCがそんなに無茶な金額を集めまくっているのか?
2.どうしてそんなVCがそれだけの資金調達を遂行することが出来たのか?

これらの問いに答えるために、そもそも我々は何故アンドリーセン・ホロウィッツを結成することにしたかの経緯について語りたい。

1999年に私は自分の創業した会社、ラウドクラウドの最初のベンチャー資金調達を終えて、その出資してくれたベンチャー・ファンド(訳者注:ベンチマーク・キャピタルのことを指していると思います)に挨拶に行った。創業CEOとしてこの日ほど私はワクワクしたことはなく、ラウドクラウドの未来の抱負を語ることを楽しみにそのVCのオフィスに乗り込んだ。

しかし私のそんな高揚した気持ちは先方のパートナーのこのひとことで急速に萎んでしまった。

「ところできみたちはいつになったらホンモノのCEOを迎え入れる気かね?」

私の同僚の同席する会議でいきなりこう言う風に言われたので私は仰天してしまった。それと同時にすごくめげた気分になった。私の最大の後援者が私の社員たちの面前で「あなたはまやかしのCEOだ」と宣言したのも同然だからだ。

私は「それはどう言う意味ですか?」と喰いついた。失礼な前言を翻して欲しいという気分がたぶんあったのかもしれない。

しかし相手は「私が言っているのはちゃんと大企業を経営した経験があって、いろいろ人脈もあり、顧客とのリレーションを持っているCEOを入れなさいということだ。つまり自分が何をやっているのかわきまえている経験者が必要だということだ」と主張した。

その言葉を聞いている間に私は呼吸困難に陥りそうなくらい動揺した。CEOとしての私のメンツを潰されたことで私が腐ったのは当然として、相手の指摘していることはいちいち正しかったので私は抗弁すらできなかったのだ。自分は大企業を経営したことはないし、CEOに必要とされるスキルを全て持っているわけではない。私はたんに創業CEOというだけで、プロフェッショナルなCEOではないのだ。私は自分に残された時間がだんだん少なくなっていくことを伝える、カチカチという時計の音が背後で聞こえる気がした。

わたしは駆け出しのCEOの役割をこなしながら仕事を覚えてゆく事ができるのだろうか?会社を潰してしまう前に人脈を築くことが出来るだろうか?

この根源的な疑問が後々までも私の心を苦しめた。

(後略)

その後、ベン・ホロウィッツはラウドクラウドを株式公開し、最後には同社はヒューレット・パッカードにM&Aされます。
続きを読む