アメリカのパイプライン会社、キンダー・モルガンがエルパソ(EP)を211億ドルで買収します。エルパソには沢山の負債(167億ドル)があるので、その分を加味すると378億ドルの大型買収ということになります。

エルパソはパイプライン網を所有しているほか天然ガス田を持っており、キンダー・モルガンはエルパソを吸収後、パイプラインは温存し、天然ガス田は負債の返済のために売却する意向です。

結果として合併後の新会社は下の地図のように全米最大のパイプライン網を持つことになります。

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(出典:ウォールストリート・ジャーナル)

地図を見ればこの合併のシナジーは一目瞭然です。

さらに言えばキンダー・モルガンのパイプライン網はシェールガスなどの比較的新しい生産拠点をカバーしており、一方、エルパソのパイプライン網は大都会などの消費地へ長期契約でガスを提供しており、安定的なキャッシュフローが見込まれています。

言い換えればキンダー・モルガンの資産は成長を、エルパソの資産は安定をもたらすわけです。

或る意味、この買収はロックフェラーによるスタンダード石油の天然ガス版だという風にも解釈出来るでしょう。

キンダー・モルガンはMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)という会社形態であり、これは税金効率が良いです。従って普通のコーポレーションであるエルパソがMLPになることで節税効果もあります。

キンダー・モルガンは創業CEOのリッチ・キンダーが1996年にエンロンを辞めて創業した会社です。
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