シリアとトルコの国境で緊張が高まっています。このところ連日、シリアからトルコ領内へ砲撃があり、それに対抗する意味でトルコもシリアに砲撃を加えています。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、NATO軍の最大勢力を構成しています。それは理事会の決議なしには勝手に動けないことを意味します。

NATOというカタチで欧州各国の軍事力をプールする措置は、第二次世界大戦以降の欧州の紛争防止に少なからず貢献してきました。

しかしNATOという仕組みが、いつもうまく機能してきたとは言い難い面もあります。実際、最近はソ連という共通の敵を失って、NATOの存在意義に疑問を挟む声も強くなっていると思います。

NATOという仕組みが機能不全(Dysfunctional)になっている点を危惧する声が、NATO加盟国内にも多いのです。今回の事件はその意味においてNATOの有効性をテストするケースになると思われます。

一方、シリアがトルコに連日、砲撃を加えて挑発している背景には、イランの意図が働いているのではないかという見方もあります。イランはイラクとの間の国境線を自分の勢力範囲とは考えておらず、シリアのトルコとの国境線、或いは地中海であればレバノンまでを含めた地域を自らの影響力が及ぶ範囲と考えています。(昔、日本が満州を防衛線と考えた発想に、似ています)
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