マーシャル・プラン、ECSC、NATOなどの枠組みでドイツは再び勝手に戦争を始める事は不可能になりました。また猛烈な勢いで経済復興してもそれが昔のように領土拡大の野心につながらないような仕組みが出来ました。安心して、不釣り合いな生産力をドイツに許すことができました。これらのことはひとまわり大きい、欧州全体でバランスをとり、問題解決するというアメリカの価値観を強く反映したものとなったのです。
欧州の復興初期は「ヨーロッパの奇跡」と呼ばれています。そこでは戦災で壊された工場や住宅が修理されました。資本ストックの蓄積がなされました。復員兵が社会復帰しました。また戦争中に開発されたさまざまな技術が平和利用されました。さらにアメリカから大量生産や人事管理のノウハウなどが導入されました。みんな食うや食わずでしたから労働争議は少なく、労使関係は良好でした。
なお、鉄のカーテンの向こう側ではソ連の復興も急ピッチだったことを付け加えておきます。
つまりイデオロギーや経済の枠組みに関係なく、キャッチアップ局面では比較的簡単に経済成長ができるのです。それはなぜでしょうか?
6

極端な資本財の不足から鉄鋼は生産すれば生産しただけどんどん消費されました。だから需給関係をあまり気にせず、兎に角、生産高を伸ばすことだけを心配していれば良いのです。また長年、十分な投資がされてなかったので、新しく資本投入さえすれば、素晴らしいリターンが期待できました。急成長している国では景気循環の悪影響は少ないし、画一的な製品、画一的な経営でも十分でした。だから資本主義国でも共産主義や社会主義のような命令型経済でも結果は余り変わらないのです。
続きを読む