「Market Hackには大学生くらいの若い読者も多く、彼らはいま自分の進路について真剣に悩んでいる。そんな若者の指針になる内容の記事を!」

Market Hackの月例編集会議での議論を一行でまとめるならば、つまりそういう事です。

だから、、、書きます。いまのシリコンバレーの起業を巡る環境について。


【エンジニアを採用するよりカネの調達の方がラク】
先日シリコンバレーの「連続殺人犯」ならぬ「連続起業犯(シリアル・アントレプレナー)」、カテリーナ・フェイクがまた新しい会社を興した事に関する記事、「起業にベストなタイミングは常に2年前よ」を書きました。

実はその時引用した彼女の言葉には裏話があります。

それは最初に彼女がブログ記事を書いた時、

エンジニアが職にあぶれている時(の方が経営者としては会社をはじめやすい)


と書いてしまい、彼女のブログ記事の読者から

まるで失業しているエンジニアを安く雇い入れることが出来るから好都合みたいな書き方だね


と指摘されてしまいました。それで彼女は

人材が得やすい時

という表現に訂正したのです。

別にエンジニアを「買い叩く」ことだけが経営者が心配しなければいけない事ではありません。

だからそういう印象を読者に与えたのは彼女の本意ではありませんでした。

むしろ僕が思うに彼女が「エンジニアが職にあぶれている時」と書いた際には資本市場のサイクルについて思いを馳せていたのでしょう。

しかし一介のエンジニアや従業員にはそういう経営者の視点はわかりにくいと思うので、それが誤解を招いたのだと思います。

彼女が言っていることは、今はリンクトイン(ティッカー:LNKD)やパンドラ・メディア(ティッカー:P)がIPOされ、しかもディール・パイプラインにはZynga、Groupon、Facebookなどの錚々たる企業が上場準備に入っているわけで、ベンチャー・キャピタルとしては新規の資金募集がしやすく、手元の投資資金も潤沢になりやすい局面にだんだん入っているということなのです。

そのような局面では彼女のように実績ある経営者のところへはすぐお金が集まってきます。

つまり周りから「またひとつ、やってくれよ」と焚きつけられるわけです。

新しいファンディングを得た若いベンチャー企業は、いまどんどんエンジニアの採用を増やしています。それが極端なエンジニア不足というカタチで雇用市場に跳ね返ってきているわけです。

【会社設立から刈り取りまでに5年はかかる】
さて、ここで事業を興そうと思う経営者が考慮しなければいけない点は、あるビジネスを思い立って、会社を登記し、社員のメンバーを集め、実際にサービスや製品をローンチするところまで持ってゆくには時間がかかるということなのです。
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