アルジェリアの天然ガス処理施設で起きた人質事件で、アルジェリア政府は人質救出作戦を強行しました。これを書いている時点で、その結末に関する情報は交錯しています。でも人質の中に、かなりの犠牲者が出たと言われています。

このため世界の政府はアルジェリア政府を非難しており、メディアやブログでも強硬策を批判する声が大きいです。犠牲者が出たことは大変残念に思います。でも僕自身、昔、プラント関係の仕事をしていたので、今回のアルジェリアの事件のようなアブナイ場所で働く事のむずかしさや、現地の政治や宗教問題の複雑さ、ホストカントリーの政府や軍隊の考え方の違いについては、いろいろな価値観に接する機会がありました。そこでこれについて今日は書いてみたいと思います。なお、僕は今回の強硬策を支持するわけでも、非難するわけでもありませんので、念のため。

まずなぜアルジェリア政府が強硬策に出たのか? ですが、これは有り体に言えば、そうするほかなかったからです。

先ずアルジェリア政府はジハード派などの反乱分子に対して、断固とした態度を示し、「脅迫には、応じないぞ」というメッセージを送る必要がありました。なぜなら、ここでジハード派を叩いておかないとアルジェリアの国全体が、政情不安に陥る危険性があったからです。

アルカイダなどのテロ組織は政府のしっかりしていない国、経済の混乱している国を好んで、寄生します。そのほうが草の根のレベルでの庶民の不満を上手く利用して、取り入りやすいからです。国がしっかりしているところでは、ジハード派は活動しにくいです。

ウサマ・ビンラーディンはサウジの有力一族で建設業などの事業を展開していましたが、サウジを追われ、イエメンやアフリカに活動の拠点と転々としていったのには、そういう理由があります。彼が最後に寄生していたパキスタンにせよ、アフガニスタンにせよ、フィリピン南部にせよ、これらは全て国家が何らかの機能不全、ないしは真空状態になっている場所です。
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