2月15日から3月1日の間に米国の財務省は予算が払底すると言われています。それは去年から揉めている米国連邦債務引き上げ問題の解決の見通しが立たないからです。

そこで「1兆ドルのプラチナ・コインを鋳造すれば、いいんじゃないか?」という提案が議会から出されました。

最初に断っておくと、その提案が実行に移される可能性はゼロです。

米国の法律の中には「財務長官の一存で、プラチナ・コインを鋳造することができる」という条項が埋もれています。但し、プラチナ・コインに限られます。それがプラチナ・コインである限り「どんな額面単位でもOK」なのです。

なぜこんな条項があるかと言えば、それはコイン・コレクター向けに記念コインなどを鋳造するためのはからいです。

それで議会が「1兆ドルのプラチナ・コインを鋳造し、それを財務省の金庫に入れれば、それを根拠としてやりくりができる」と言い始めたわけです。

予算案策定を通じて、財務省のお財布の紐を管理しているのは、立法府である議会です。だから財政規律の擁護者は、本来、議会なわけです。

一方、行政を司るホワイトハウスは、決められた予算の実行に対して責任を持っています

いま、ホワイトハウスがその責務に基づいて「決められた以上、我々は予算通りに2月15日に国庫が払底したらシャットダウンする」と言っているのに対し、もともと予算を策定した議会が1兆ドルのプラチナ・コインという抜け穴利用を提案するのは、自ら財政規律を骨抜きにする行為です。

そこで連邦債務上限引き上げ問題にもう一度立ち返って、これまでの経緯を復習してみましょう。
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