よくサラリーマン向けの雑誌などで「自分の価値が幾らかを知ろう!」という記事がありますが、ウォール街に勤める人たちは常に自分の相場が幾らかを知っています。

これには2種類の意味があって、若し自分の貰っている報酬が世間相場より低ければ転職しようという事と、もうひとつは自分の報酬がその成果に比べて高すぎるというケースも当然あるわけです。

その場合、彼らは考えます、(これはヤバいぞ)と。

なぜなら自分がその働きに不相応な高報酬をもらっている場合には、遅かれ早かれその事実が暴かれ、足元をすくわれてしまうからです。

それを説明します。

1年に一回、マグラーゲンズという調査会社が各投資銀行の顧客別売上高に関するレポートを出します。

全ての投資銀行がこの調査に参加しているわけではないと思いますが、大半の投資銀行は経営管理の判断を下す際のひとつのツールとしてこの調査に参加します。

まず投資銀行は自社内に保存してある顧客別の売上高(委託手数料、引受け手数料など)データを調査会社へ供出します。

調査会社はそれを集計してそれぞれの顧客がウォール街全体にどれだけの手数料を落としているかを計算するとともに個々の投資銀行がその顧客からの売上高で第何位につけているかを克明に教えてくれるわけです。

或る機関投資家がウォール街に手数料を落とす場合、たいてい下の図のように右下がりのカーヴを描きます。
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つまり上位の特定の数社と極めて親密に付き合い、あとはどんぐりの背比べみたいになるということです。
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