かねてから予想されていた通りドイツはアイルランドに対して現在12.5%の法人税を引き上げることを要求しました。

これほどコミカルな要求もありません。

もちろんアイルランドの法人税率は他の欧州諸国に比べて低く、上げようと思えば上げられなくもありません。

問題はアイルランドには法人税増税どころかそもそも膨大な焦げ付きを抱えた銀行の処理をどうするか?ということに関するコンセンサスすら出来ていないという点にあります。

今回、アイルランドの銀行を救うべきだと強く主張したのはドイツです。

その理由はアイルランドの銀行が倒産した場合、その銀行債を沢山抱えているドイツの銀行に危害が及ぶことを心配しているからです。

アイルランド国内の世論は割れています。

「これは民間不動産デベロッパーと民間銀行との間の問題なので、この際、銀行は一旦潰した後、政府がエクイティーを注入するかたちで再生すればよい」という議論も根強くあるのです。
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