Market Hack

BIDU

バイドゥ(BIDU)第4四半期決算発表

EPS 予想$1.68 実績$1.80
売上高 予想1.8億ドル 実績1.85億ドル
第1四半期ガイダンス
売上高 予想1.7億ドル 新ガイダンス1.76から1.81億ドル

バイドゥ(BIDU)の第4四半期決算はフェニックス・ネスト(PN)が予想より良かったことで予想を上回りました。

EPSは政府の補助金が予想より多かったので下駄を履いています。

PNへの移行は12月1日に完了しました。

PNの利用は大口顧客を中心に増えています。

大口顧客がPNを支持している理由はアナリティカル・ツールが好評だからです。

PNへの移行にまつわる売上面での悪影響は予想より小さかったです。

ARPUはPNに移行した顧客に関しては以前より多くのお金を遣う傾向があります。なぜなら顧客の側でパフォーマンスの計測がしやすくなったからです。

バイドゥは「アラジン」という名称のオープン・サーチ・システムを実装しました。これはバイドゥのサーチ・エンジンでフライト情報を検索しようとしたユーザーに航空券検索から予約まで直接バイドゥ「アラジン」で出来るようにしたものです。

楽天とのBtoCジョイント・ベンチャーは基本的に日本の楽天のモデルをそのまま中国にコピーする計画です。


心配すべきはバイドゥ(BIDU)の方だ

今日、ゴールドマン・サックス証券のアナリスト、ジェームズ・ミッチェルがバイドゥの目標株価を$500から$550に引き上げた関係でバイドゥ株がこれを書いている3日ザラ場の段階で+5.24%と急騰しています。ジェームズ・ミッチェルはインドのサティヤム・コンピュータが粉飾決算を出す前にガンガン推奨していたアナリストで、まあ、ハッキリ言って余り使い物にならない奴だと思います。

僕は2月9日のバイドゥの決算発表については楽観視していません。

なぜなら前の四半期決算の時も新しい広告エンジン、「フェニックス・ネスト」が上手く作動していなかったし、今回も広告主の多くが「複雑すぎて、使いにくい」とこぼしているという話が伝わってきているからです。

このコア収益源の広告エンジンの移行がスムーズに出来なかった事でバイドゥのCTOは先日突然首になっています。続きを読む

規制リスクを考えると高いPERは払えない 中国のインターネット株

12月5日に(ん?!”#$%&、まてよ、これは世の中、大きく変わったぞ)と直感してそれまでの投資方針を大きく変更しました。
現在の僕の新興国株式に対する考えは次の通りです:

ブラジル → 売り
ロシア → 売り
インド → 売り
中国 → 売り

このうちロシアは余り下がっていませんね。

またインドのITセクター(ドル高で恩恵を蒙ると指摘しました)も高値圏にあります。その他のインド株はだんだん値を切り下げています。

中国では食品の値段が騰がり始めると政府の金融政策が大きく変わる節目です。案の定、株式市場は下げ足を速めています。

2009年の世界株式市場のラリーを支えてきた二つの大きな流動性の蛇口、即ち:

①アメリカの超緩和的金融政策
②中国の銀行融資の激増

の両方が閉められはじめたのですから、マーケットだって潮目が変わって当然です。

中国の銀行株は公募リスクがあるので今後も下がると思います。

また、インターネット株も政府の方針がコロコロ変わるので高いPERを支払う気にはなりません。

僕の大好きなネトゲ株はパーフェクト・ワールド(PWRD)ですけど、これも下がっています。

PWRD

RSI的には30に達した(青の矢印)ので、売られ過ぎ圏に入りつつあります。

先日チャイナ・モバイル(CHL)はWAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)サービスの加入者への課金を一時全面停止すると発表し、中国に沢山存在する携帯絡みのアプリを作っている零細なソフトウエア企業を驚かせました。表向きにはアダルト・コンテンツの粛清がその理由です。しかし課金を止めることでお金をこれらのソフトウエア会社にわざと流れないようにし、資金繰り困難から倒産に追い込む事で業界全体を「みそぎ」するのだという説明を或る友人(シリコンバレー出身のチャイニーズ・アメリカン)から聞きました。

もちろん、こうしたデータ・サービスはチャイナ・モバイルにとってもだんだん重要な収入になりつつありますから、これはチャイナ・モバイルにとってもきついことです。

CHL

チャイナ・モバイル株は所謂、デット・クロス(青の矢印)と呼ばれる、50日移動平均線が200日移動平均線を下に切る売りシグナルを発しています。

最後の株はバイドゥ(BIDU)です。これも下げています。
BIDU
50日移動平均線(青の矢印)のところがサポートになっていたのですが、アッサリ割り込んでいます。

PS:BRICsを「全売り」したわけですけど、だからといって世界のマーケット全部に弱気になったわけではありません。アメリカのハイテク株などには強気です。いつも繰り返していますが:

マーベル(MRVL)
JDSU(JDSU)
サウスウエスト航空(LUV)

など一握りの銘柄に集中投資しています。

来年の投資戦略ですが、実は奇抜なアイデアを温めています。今、それに向けて猛勉強中です。でもたぶん全ての読者が「えーっ、何それ?そんなんじゃ嫌だ」と言うようなアイデアです。(笑)

余り期待しないでね。

→そのアイデアは1月7日のCMC Markets主催のウェブ・セミナーでお披露目します。


中国のインターネット株は敬遠すべし

はじめて大勢の個人投資家の皆さんの前で喋ったのは2006年の2月の大阪での講演会でした。そのときビッグなテーマの筆頭として中国のインターネット業界をハイライトしました。

当日使用したスライドを今、見直すと懐かしさがこみ上げてきます。バイドゥ(BIDU)のスライドでは株価はUS$54.5となっており、PERは118倍とあります。また「推奨している証券会社は1社もない」ことを僕がこの株を好きな理由として掲げてあります。当時、バイドゥを取り上げることはとても勇気の要ることでした。

この大阪での公演以来、こんにちまでセクター全体として中国のインターネット業界を嫌いになったことは一度もありません。(もちろん携帯電話の付加価値サービスなど、逆風に直面した個々のセグメントに対してネガティブになったことはあります。)

でもここ数日は何だか陰鬱なムードになっています。

もうTwitterなどで皆さんがつぶやいているので知らない人は少数派かも知れませんが、中国で最近、インターネットに対する政府の監視、規制が大幅に強化されました。

僕は各国独自のイデオロギーや価値観の違いは何よりも尊重する主義なので中国のやろうとしていることにはむしろ同情するし、背に腹は代えられない事情があることはわかります。

でもビジネスのソロバンから考えて、これから中国のインターネット業界はきつくなる。もっと言えば成長を捻り出しにくくなると思っています。

今回の中国の措置は今年6月に中国政府が「新しく中国で売られるパソコン全てにインターネット・フィルター・ソフトウエアをインストールしなさい」という指導を発表したら、国内のユーザーならびに海外のハイテク・メーカーから轟々の非難が出たことに端を発しています。

中国政府は中国ハイテク業界の将来の競争力などに配慮してこの方針を引っ込めました。

その代わり今度は「個人は.cnというドメインを取得することはできない」という方針が発表されたのです。

法人は今まで通り、.cnというドメインを取得できます。

なお個人はいままで通り、.comや.netというドメインは取得できます。

さらに中国政府はファイル・シェアリング・サイトや動画エンタメ・サイトなど、全部で700ものサイトを閉鎖しました。

この関係でイー・コマースなどのスタート・アップも昔よりはじめにくい環境になったと言われています。

バイドゥの場合、検索の大半は音楽や動画です。また広告主はスタート・アップ企業が多いです。

中国ではFacebookもTwitterもYouTubeもご法度。

これは単純に言えばWeb1.0よりも先へ中国が進めないことを意味するのではないでしょうか?

折角、才能に溢れた中国人が沢山居るのに、わざと「知の進化」から背を向ける中国政府の度量の狭さには大いに落胆させられました。

それは兎も角、中国のネット株はどれも「すこしの成長率の減少も許されない」ギリギリ目一杯の株価評価が付いています。新しい創意工夫が意図的に抑圧されるのであれば、バイドゥもアリババもテンセントも未来は暗いと思います。

早く降りた方が勝ち。

編集長プロフィール
hirose_takao広瀬隆雄(Hirose Takao)
米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
Twitter/@hirosetakao
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