いま横浜港に豪華客船「クイーン・エリザベス」が寄港しています。「クイーン・エリザベス」はキュナード・ラインの所有する客船で、そのキュナード・ラインはフロリダ州マイアミに本社のある(登記はパナマ)カーニバル・コーポレーション(ティッカーシンボル:CCL)のブランドのひとつです。

下はカーニバルのブランド別の乗客収容キャパシティです。なおクルーズ船業界のならわしとして、乗客収容キャパシティは客室×2で計算されています。実際にはファミリー向けの大きな客室は3人以上が泊まれる設備になっているのですが、そこは全て一律で計算されています。

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カーニバルのブランド構成比率は次のようになっています。

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別の言い方をすれば「クイーン・エリザベス」はカーニバル・コーポレーションのキャパシティの1%に過ぎないのです。

このことからもカーニバル・コーポレーションが如何に大きな会社であるかがイメージしていただけると思います。

同社は全部で101隻の豪華客船を運航しており、その62%はアメリカを主要拠点にしています。

カーニバル・コーポレーションは1974年に創業された、比較的歴史の浅い企業です。その若い企業が、1837年に英国で創業されたP&O(ペニンシュラ&オリエント)、1840年創業のキュナード・ラインなどの老舗を買収したわけです。

旅客機の旅が一般化する前は海外渡航と言えば船でした。しかしジェット機の登場で商用の渡航で船を利用する人は居なくなってしまいました。

おまけに客船のビジネスは季節により運航が影響され、さらに景気の影響も受けます。豪華客船で世界を周遊できるようなカネとヒマを持つ人は、限られています。そんな理由で客船のビジネスは構造不況業種に成り下がったのです。

カーニバル・コーポレーションの創業者、テッド・アリソンは発想の大転換をします。それは「どこかへ行くための交通手段としてのクルーズを止め、クルーズそのものが目的でなくてはならない」という考え方です。そこで彼は風光明媚なカリブ海の島々だけを次々に回遊するカリブ海クルーズを構想します。

長期休暇を楽しめないバケーション客でも、飛行機でマイアミまで来て、クルーズ船でサッと遊んで帰ってゆく……そういう短期で格安の楽しみ方を提案したわけです。それはとりもなおさず「クルーズの大衆化」時代の到来を意味します。去年、同社の年間乗客数は1000万人を超えました。

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カーニバルの業績は2008年のリーマンショック、2009年のギリシャ危機、2012年の座礁事故などの影響で、このところ足踏みが続いています。

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今後、米国と欧州の景気が上向くので、同社の業績も回復することが予想されます。

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(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack

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