ここ数日の上海総合指数の下げは少し不気味です。

下げの理由は中国政府が更なる引き締め策を打ち出すという観測が出ているからですが今のところ発表はありません。

G20あたりを境にして大陸相場が変調してしまったように感じます。

一体、なにが変わったのでしょう?

ひとつには米国の追加的量的緩和政策が新興国にとってとんでもないリスクを孕んだ政策だという認識が関係者の間に広まっているという点が新しいです。

追加的量的緩和政策は米国の不動産市場の下落がデフレ・スパイラルを招くことを防ぐため、わざとインフレ圧力を創り出し、デフレに対抗するというアプローチです。

問題はインフレ圧力は商品価格などを通じて瞬時に世界に伝播するという点です。

つまりアメリカは世界の迷惑を顧みず、身勝手な金融政策を打ち出しているわけです。

G20の話し合いが不調に終わったということは「アメリカはわが道を行く」ということに他ならないわけで、手をこまねいていたら彼らに勝手な真似をされることは明らかです。

もうひとつ新しい認識が芽生え始めています。

それは「そんな身勝手な国の金利政策に、中国の金利政策をペグしておいて大丈夫なのか?」という悟りです。

人民元をドルにリンクさせるということは、金利政策をペグする相手国の金利政策にシンクロナイズ(同期)させることを意味します。

これが中国の預金金利が2.5%という極めて低い水準にとどまっている主因です。

或る意味で中国がこんにち経験している問題はアイルランドやスペインが経験した問題と全く同じです。
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