1970年代の後半に鄧小平(とうしょうへい)が黒猫白猫論を展開し資本主義経済への移行を始めて以来、輸出は中国経済にとって重要な成長のエンジンでした。

下のグラフは超長期での中国のGDP成長率です。天安門事件のあった1989年の一時期を除けば大体8%から14%成長のレンジの中に収まっていることがわかります。
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比較の為に日本の超長期でのGDP成長率のグラフも載せておきます。
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中国の3月の輸入は前年比+5.3%の1,603億ドルでした。輸出は+8.9%の1,656億ドルでした。
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因みに2月の輸入、輸出はそれぞれ+39.6%、+18.4%でした。その意味では3月の成長は物足りなかったとも言えます。
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しかし上の前年同期比変化率のグラフからもわかるように2月は1月の数字が悪かった反動で高い成長率となっていた面がありますので3ヶ月程度の移動平均で物事を考えた方が良いと思います。

全体としては一部の市場関係者が懸念していたような貿易の大きな変調はありませんでした。

しかし米国はリーマンショックの後遺症で「ニューノーマル」と呼ばれる低成長が定着してしまいましたし、欧州に目を転じると欧州財務危機の影響で経済の低迷が続きそうな雲行きです。

だからいつまでも輸出一本に依存する経済運営は出来ないのです。

従って中国は最近、都市化に伴う先行投資に傾斜した経済運営で成長の維持を実現しています

長期で見ればまだまだ中国は都市化のトレンドの真っ最中にあり、成長の余地は大きいです。

現在、中国では総人口の約半分、47%が都市に住んでいます。でも世界では57%が都市に住んでいるので今後も中国は世界の都市化の水準にさや寄せすることが予想されるのです。
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各国の人口の成長予想に先ほどの都市化率を掛け算すると大体の都市人口が計算できます。向こう20年間で中国の都市人口は2.7億人増えるという計算になります。その分、住宅の供給も増えないといけないのです。
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住宅を建設し、インフラを整備するためには様々な建設資材が必要となります。建物の基礎になるセメント、鉄棒、H型鋼、配管に使われる銅などです。

鉄鋼の原料は鉄鉱石です。下は海上輸送によって出荷される鉄鉱石をどの国が一番買っているかを示したグラフです。
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