国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)報告書を発表しました。IMFの予想ならびに前回(2013年1月)のWEOアップデートからの変更点は下の一覧表の通りです。

IMF WEO

これを見ると先進国の中では米国経済が強いことがわかります。しかし直近では下方修正が入っている点が目を引きます。

これと対照的に日本は2013年、2014年の予想ともに大幅な上方修正が入りました。

欧州は今年の予想が下方修正されていますが、その中でドイツはしっかりしていることがわかります。

また中国の予想は今年、来年とも下方修正が入りました。

WEOではこれまで1)新興国が急成長し、2)先進国がモタモタするという、いわゆるTwo-speed recovery(ツー・スピード・リカバリー)のシナリオを堅持してきました。

しかし最近になってそれがThree-speed recovery(スリー・スピード・リカバリー)になりつつあるとWEOは指摘しています。そのココロは、先進国の中で米国がEUを引き離しているということです。

米国の1.9%ならびに3.0%という成長率は、それほど高くないように見えるけど、歳出強制削減などの財政立て直しプログラムからくる1.8%のGDPへのネガティブ効果を勘案すると、すごく立派な数字だとIMFは論じています。

EUに関してはドイツがしっかりしているわけですが、その他の国が苦しんでいるので、ドイツ一国で他をけん引できるかどうかは疑問であるとしています。

日本に関してはアベノミクスが日本経済に与える、景気浮揚効果を考慮して、予想を引き上げたとしています。

しかし日本の債務総額が大きいので、中期的な財政立て直しプランをきちんと立てずに緩和政策だけをやるのはリスキーだと指摘しています。このため投資家はJGBに対してリスク・プレミアムを要求(=価格が下落)するだろうと予想しています。

新興国は2012年に経済の減速が見られたわけですが、今後再加速するというシナリオをIMFは持っています。