先週の金曜日、オバマ政権がシェールガス輸出プロジェクトにGOサインを出しました。

今回の許可は、上院の公聴会で揉めた後だけに注目されるイベントでした。

承認の経緯に関しては別のところに詳述しておきましたので、ここでは具体的にどの銘柄が恩恵を蒙るのかについて述べます。

シェールガスを輸出しようと思うと、先ず天然ガスを冷却し、液化天然ガス(LNG)にする必要があります。そこでは液化プラントを建設する必要があります。輸出施設を設計・建設するのはエンジニアリング会社の仕事です。

なかでもLNGの施工実績が多いのはシカゴ・ブリッジ&アイアン(ティッカー・シンボル:CBI)とKBR(ティッカー・シンボル:KBR)の2社です。このうちシカゴ・ブリッジ&アイアンに関しては2月に紹介済ですので、今日はKBRについて書きます。

KBRはケロッグ・ブラウン&ルートの頭文字をとった略号です。MWケロッグ、ブラウン&ルートは、それぞれ大変由緒正しいエンジニアリング会社です。

MWケロッグの方は1901年にモリス・ケロッグがニューヨークで創業した会社です。石油精製装置を得意とし、テキサコやスタンダード石油インディアナなどを主な顧客としていました。

ブラウン&ルートは1919年にテキサスで創業された会社で、土木事業から始め、オフショアのオイル・リグや造船などの大きな構造物を得意としていました。

石油サービス会社のハリバートンがこれらの会社を買収し、傘下に収めました。その後、2006年にハリバートンがこれらのエンジニアリング会社をひとまとめにし、別会社としてニューヨーク証券取引所に上場すると発表しました。こんにちのKBRは、こうして出来あがったのです。現在、KBRとハリバートンの間には資本関係はありません。

KBRの主な仕事はエンジニアリングなのですが、エンジニアリングには大きな機器の輸送などのロジスティックがつきものです。そのノウハウを買われてKBRはイラク戦争の際、米軍のロジスティックの下請けを担当しました。副大統領、国防相などを歴任したディック・チェイニーがハリバートンの元CEOだったことから「癒着ではないか?」という疑惑が生じ、KBRは投資家から敬遠されてきました。

現在ではそのような過去は忘れられています。

同社の強味はLNGプラントの設計・建設です。同社の売上高の約半分は石油・天然ガス関連のプラント建設からもたらされており、LNGの受注実績としてはゴルゴンLNGトレイン1~3、イクシーズLNG、モザンビークのフロント・エンド・デザインなどがあります。

プラント輸出の契約にはフィックスト・ランプサムと呼ばれる、請負総額を最初に決めてしまう方法とコスト+フィーという建設にかかった費用を、それが発生するたびに請求し、役務フィーをそれに上乗せするという契約形態の二つがあります。

施主、つまりクライアントの側からすればフィックスト・ランプサムは工事総費用が最初に確定するので、不確実性を取り除くことが出来ます。

一方、請負うエンジニアリング会社の立場からすれば、安請負して、後でコストが雪だるま式に増えると、赤字工事になるリスクがあります。実際、KBRの手持ち工事のうちの一部はコスト・オーバーランのため、2012年第4四半期に6千万ドル相当の評価損を計上しました。
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