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ラスベガス「The 2010 CES」の目玉は「スマートブックス」

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が来週、1月7日からラスベガスで開催される「The 2010 Consumer Electronics Show」に関する記事を掲載しています。

記事中、今回のCESで注目を浴びるのは「スマートブックス(smartbooks)」かもしれないと指摘しています。

そこでまずスマートブックスを定義したいと思います。
スマートブックスは2年前から急に人気を博し、現在では米国のノートブック・パソコンの売り上げの2割までを占めるまでに成長した、ネットブックに似たような形状をしています。

ネットブックは価格帯にして$250から$400くらいです。一方、スマートブックスは$150から$250と、一段と安くなっています。

最大の特徴はネットブックがインテルのアトム・チップとマイクロソフトのウインドウズを搭載しているのに対して、スマートブックスはARMコアに依拠したプロセッサーを搭載、OSはグーグルのアンドロイドなどリナックスに依拠している点です。価格が安いのは主にこれが理由です。

WSJが指摘する問題点としてはスマートブックスはマイクロソフトの「ワード」などのアプリケーションが表示できないし、iTunesも使えないという点です。またアドビのフラッシュ(ビデオを視聴する際、必要です)の調整が遅れていると指摘しています。

もともとネットブックはリナックス・ベースで構想されたけど、上に書いたような問題で消費者のウケが悪く、ウインテルに衣替えしたら成功した、、、そういう経緯も記事中紹介されています。

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さて、僕がこの記事を読んだ感想ですが、コンシュマー・デバイスでいろいろ新しいことが試みられるのは毎年のことで、今回のスマートブックスが成功するという保証はありません。

また、今回のラスベガスのショーに登場しない新製品、つまりアップルのタブレットこそが「台風の目」であることは多くのウォッチャーには既知の事です。

それを断った上で、昔より消費者の先入観、固定観念といったものは崩れてきており、ビジネス・チャンスは広がりを見せていると感じざるを得ません。

それはつまり「パソコンは、こういうカタチをしていないといけない」とか「携帯電話は、こういうカタチをしていないといけない」という凝り固まったイメージではなく、「いいんじゃないの、別に電話がプラスチックの下敷きみたいなカタチをしていても」とか、「別に抵抗感は無いよね、キーボードが無くったって、、、」という風に消費者の嗜好やエクスペクテーションが柔軟化しているということです。

アマゾンの「キンドル」やバーンズ&ノーブルの「ヌック」や今回話題になっている「スマートブックス」などの新しいコンシュマー・デバイスの大半は流れ星のように一瞬きらめいたかと思えば、すう~っと消えて行くものなのかも知れません。どのデバイスが残って、どのデバイスが消え去るかはなかなか予測不可能です。

でもどんなデバイスが最終的に当たりを取っても、これらの無数の試みに基幹的な技術を提供している企業は勝ちます。それは具体的にはARMホールディングス(ARMH)であり、マーベル・テクノロジー(MRVL)なのです。

リスク・トレードの時代は終わって素直に景気のリカバリーを買う局面がきた

いまの相場はひとことで言えばリスク・トレードの時代が終わって素直に景気のリカバリーを取りにゆく、そういうマーケットだと思います。

リスク・トレードとは借金のコストが極端に安い状態がとうぶんの間続くという前提のもとに普段なら金利を生まないような投資対象へ大胆に投資するストラテジーを指します。

たとえばゴールド(金)は所持していても金利が付くわけではないし、配当が出るわけでもありません。つまりフツーに市中金利が或る程度つくような環境では金利分だけ不利な投資対象なのです。

でも金融危機以降、これまでのアメリカのように超低金利の状態ではゴールドに投資することはとりわけ不利ではありませんでした。これが投機のお金が大挙してゴールドに流れ込んだひとつの理由です。

でも12月5日の雇用統計の数字が良かったので、1年先くらいの金利の見通しが狂ってきてしまいました。つまり「FRBは遅かれ早かれ、超緩和的金利政策を終わらせなければいけない」という認識がじんわり出始めているのです。

だからゴールドは一旦、降りて正解でした。

Gold

こうやって振り返ってみれば、いかにゴールドが「買われすぎ(青のマルで囲った部分)」になっていたかわかります。

配当や金利がつかない投資対象といえば原油なんかもそうです。いや、むしろ原油の場合、現物を引き取るためには貯蔵の手段が必要になりますからむしろキャリー(保持しつづけること)のコストは嵩みます。

そんなわけで原油も典型的なリスク・トレードの対象であり、今のようなマクロ経済の環境ではとりわけヤラレやすい資産です。

PBR

上のチャートはブラジルのペトロブラス(PBR)ですが、やはり理屈通りこっぴどく売られています。

新興国の多くはホットマネーの行き先として投資家に選好されてきました。でも調達金利(=つまり米国の金利)の先行きが不透明になると「借金で張る相場」はとたんに引かれ腰が弱くなります。下のチャートは中国のETFですが、これも教科書通り下げています。

FXI

それではこれらのリスク・トレードを利喰ったお金でどこへ投資すれば良いのでしょうか?

僕は旅行関連とかが良いんじゃないかなと思っています。先に紹介したサウスウエスト航空(LUV)は既に新波動に入っています。だから目先はチョッと冷やした方が良いかも知れません。基本的にはまだまだ上をみています。

もうひとつ旅行絡みで僕が注目しているのはマリオット(MAR)です。これはまだブレイクアウトしていないので、ちゃんと上値抵抗線を抜けて新波動に入った場合のみ飛び乗りたいと考えています。

MAR

あと今アメリカではiPhoneやキンドルなどのハンドヘルド・デバイスが凄く流行しています。これは息の長いトレンドになると思います。

それらのハンドヘルド・デバイスは電池が長持ちしないといけないのでなるべく複数の半導体チップをひとつに集約し、デザインの統合度を高めてやる必要があります。するとシステム・オン・ザ・チップ(SOC)という複数のチップの機能性をひとつのチップ上に焼き込むデザイン技術がカギになります。この分野で近年メキメキ頭角を現している企業がマーベル・テクノロジー(MRVL)です。ハイテク株の中では僕の個人的なイチ押し銘柄です。下のチャートの青のマルで囲まれた部分に見られるように、今は少し「買われすぎ」になっているので押し目を待つと良いでしょう。
MRVL

その他では今日、引け後に決算発表したリサーチ・イン・モーション(RIMM)も面白いかも知れないと思っています。
RIMM

それから明日決算発表があるカーニバル(CCL)も決算の内容が良かったことが確認されれば打診買いしてみたいと考えています。


編集長プロフィール
hirose_takao広瀬隆雄(Hirose Takao)
米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
Twitter/@hirosetakao
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