金融プラットフォームとしての基盤と直近の動向
米国を中心に金融サービスプラットフォームを展開するロビンフッド・マーケッツ(HOOD)が、新たな成長分野への進出を図っている。同社はこれまで、株式や上場投資信託(ETF)、オプション、暗号資産などのブローカー業務やキャッシュマネジメントアプリを提供し、多くの投資家から支持を集めてきた。足元の市場データ(日本時間2026年4月11日時点)を見ると、メキシコ証券取引所(Biva)での同社株価は前日比1.72%安の1,199.00ペソで取引を終えた。1日の値幅は1,186.00から1,220.00ペソ(始値および前日終値はともに1,220.00ペソ)、52週間のレンジでは775.00から2,830.00ペソで推移している。時価総額は約1兆850億ペソに達し、株価収益率(PER)は33.59倍、株価純資産倍率(PBR)は6.82倍を示す。直近1年間のトータルリターンが35.72%と堅調な数字を記録する中、同社はさらなる収益基盤の強化を見据えている状況だ。
予測市場への本格参入と強気の収益見通し
急成長を遂げている事業領域の一つとして、ロビンフッドは現在「予測市場」への展開を積極的に進めている。この取り組みにおいて、同社は米国で規制当局の認可を受けている予測市場プラットフォーム「Kalshi(カルシ)」と提携を結んだ。これにより、ユーザーはスポーツの試合結果や選挙の動向にとどまらず、金融イベントや科学的な発見といった幅広い事象の結末に対して取引を行うことが可能になる。ロビンフッド側はこれを極めて重要な成長分野と位置付けており、年間で約3億ドルもの収益を見込んでいるという。発行済株式数が約7億9000万株、株価売上高倍率(PSR)が13.75倍、そして30日平均出来高が4,798.17という現在の取引環境を踏まえると、この新事業に対する社内の期待値の高さがうかがえる。
不正操作を警戒した慎重なアプローチ
ただ、事業の拡大を手放しで進めているわけではない。法的リスクや顧客からの信頼低下を招きかねない特定の取引については、意図的に提供を見送るという慎重な姿勢も見せている。ロビンフッドUKの社長を務めるジョーダン・シンクレア氏は、リスクの高い領域を避ける方針を明言した。「すべての予測市場やイベント契約を網羅的に提供するわけではない」と彼は語る。実際、顧客の利益にふさわしくないと判断された取引は初期段階で除外されている。
同社が特に警戒し、提供を拒否しているのが「言及市場(メンション・マーケット)」と呼ばれる分野だ。これは、政治家の演説や公的なイベントの中でどのような単語が発言されるかを予測して賭けるものを指す。シンクレア氏によれば、こうした契約は市場の不正操作やインサイダー取引といった重大な懸念に直結しやすい。収益の柱を育てながらも、プラットフォームとしての健全性を保つための厳格な取捨選択が行われている。