先日、中国が南シナ海で米軍の無人海底調査機(ドローン)を捕獲しました。これを機に中国とアメリカの間で緊張が高まっています。

ウォールストリート・ジャーナルが伝えるところによると無人海底調査機はソーナーのデータ解析を最適化するために使われており、中国の潜水艦を追跡する際に効果を発揮するそうです。

したがって、今回の事件は、現場に他にどんな艦船が展開していたのか? を知らなければ事件の全体像を判断することはできないとしています。

今回の事件はフィリピン沖で発生しました。フィリピンはアメリカの同盟国です。しかし最近、フィリピンは中国と急速に親しくなっています。つまり今回の出来事は中国がアメリカ=フィリピン間の関係をこじらせるためにやっているのではないか? という見方も出ているそうです。

無人海底調査機の市場は、近年、急拡大を見ています。

その理由はロボットは人間のダイバーよりもっと深いところに潜れるし、長時間作業することが出来るからです。また潮の流れなどにも比較的影響を受けません。

つまり頑丈で、持久力があり、どんな操業環境でもデータを収集し続ける事が出来るのです。

このため潜水艦戦におけるドロイド(=ドローンの別称)の重要性は増しており、つい先日もボーイング(ティッカーシンボル:BA)がドロイドのひとつ、「ウエーブ・グライダー」を作っているリキッド・ロボティクス社を買収したばかりです。

今回、中国に捕獲されたドローンは、たぶんハイドロイド社の作っている無人海底調査機だと思います。

ハイドロイド社は2001年にマサチューセッツ州に本社があり、REMUS、HUGIN、シーグライダーなどの製品を作っています。現在はノルウェーのコングスベルグ社の子会社となっています。

コングスベルグは対艦ミサイル、通信システム、射撃管制装置、防空システムなどのメーカーです。中でも海洋部門は同社のドル箱となっています。

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同社の売上高は海洋部門の好調を背景に急増していましたが、近年は伸び悩んでいます。

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新規受注と請求額を比較したBBレシオは1以下、つまり受注残を食いつぶす状況になっています。

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コングスベルグの売上高を見ると、アジアが最も多いので、たぶんアメリカや欧州だけでなく、アジアの諸国もドロイドに投資していると思われます。

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最後に太平洋に関係する諸国の潜水艦の保有台数を示しておきます。

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